働き方改革で何かとお騒がせした広告業界。
それでも、いまだに広告業界へ転職したいという人がたくさんいるようです。
たまに転職の相談を受けますが、業界の実態を理解していない人が多いように思います。
また、転職方法も他の業界と違ってちょっと特殊かもしれません。
そんな広告業界への転職を考えている方へ、現役で広告業界にいる立場として実態と転職方法をご紹介したいと思います。
激務だけど緩い時間や空き時間も長い。
まずは気になる業界の実態ですが、ハッキリ言って他の業界と比べても忙しいと思います。
昔に比べて随分マシにはなりましたが、広告業界は「クライアント」と言われるお客様から発注を受ける立場にあります。
なので、クライアント都合でスケジュールが左右されることが多く、提案や制作物の納期がとても短い場合もあります。
また、工場をただひたすら回している仕事ではないので、基本「人」が動く仕事です。
なので、プレゼン前とかは徹夜することも今でも業界的にはよくあります。
ただ、「人」が動く仕事なだけに、人さえ集まればどこでだって仕事ができるのも事実です。働き方改革も進み、モバイルPCを持ち歩いて外で仕事をする人も多くなっています。
テレビ局での収録帰りに、制作会社との打合せ帰りにちょっとお茶しながら仕事・休憩しよう。
なんて息抜きすることも容易にできます。
また、原稿の上がり待ち、クライアントからのチェックバック待ち、みたいな「待ち時間」も発生しやすい傾向にあります。
なので、一日のトータルの仕事時間は長いかもしれませんが、集中して仕事してる時間は他の業界と比べてもそんなに多くないのかもしれません。
このあたりが「広告業界が緩い」と言われている理由かもしれません。
名刺一つで世界が広がる
広告業界は大変な業界です。
でも、まだまだ捨てたもんじゃないと思っています。
一般的にはテレビCMのイメージが強いですが、
ワールドカップやオリンピック、あなたの今見てる携帯やPCの商品開発、お店の内装やコンサルなど、あらゆるところに広告代理店の存在があります。
ただCMを作るだけが広告代理店の仕事ではありません。
クライアントの課題を解決する、新しい価値を創造する
これが広告業界のミッションなのです。
なので、仕事の範囲に制限はありません。
クライアントのためになることなら何だって仕事なのです。
そんな仕事に名刺一つでアプローチできるのもこの業界の良いところです。
基本的には企業の宣伝部が窓口になることが多いですが、商品企画部や人事部、社長などの役員と合うことも珍しくありません。
若いペーペーがこんなたくさんの部署や上層部の方に日常的に会える業界も珍しいと思います。
また、クライアントの課題と自分のやりたいことが一致すればそれだって立派な仕事なのです。
音楽が好きだからフェスの仕事。
旅行が好きだから旅のイベントを企画。
それがクライアントのためになるならそれで良いのです。
業界の勢力図実態
さて、広告業界の良いところをお伝えしましたが、業界の勢力図はどうなっているのか、どの会社に転職するのが良いのか。
理想と現実がズレないように、実態をお伝えしたいと思います。
最新の広告代理店売り上げランキングです。

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見ての通りで電通がダントツ。続いて博報堂。
それ以降には大きな差が見られます。
博報堂は博報堂DYホールディングスというグループになっており、博報堂、大広、読売広告社を合わせると1兆円を超える巨大グループです。
日本の広告業界はこの2社でほとんどが成り立っていると言っても過言ではありません。
なぜこうなるのかと言うと、世界では情報流出を考慮して一業種一社制度が主流ですが、日本ではそれがありません。
なので、電通がトヨタを担当するけど、日産やホンダも電通が担当できるということです。
そうすると、力のある会社に集中してしまい独占状態が成り立ってしまうのです。
また、最近はサイバーエージェントはじめネット代理店が成長著しいですが、まだまだ電通、博報堂とは大きな差があります。
そして、ネット系代理店はあくまでも専門代理店なので、テレビ、雑誌、イベントなどを絡めた総合的な広告展開という店では総合広告代理店にはかないません。
よほどWEBに特化した広告業界に興味がある人向けですね。
そんな中で転職を考える際にどの会社を狙っていくか。
世界的な仕事、例えばワールドカップやオリンピック、万博みたいな仕事をしたければ電通の一択です。
長年担当して太いパイプがあることもあり、他の広告会社へ扱いが渡ることは考えにくい状況です。
他にも、電通だから担当できる世界的な仕事が多いのが実情です。
あとは、誰もが知ってる有名企業や商品の広告を担当したいなら、上位10社くらいの会社であればシェアは大きく違いますが担当するチャンスがあります。
また、入ってみないと分からない風土やキャラクター的なものですが、
<電通>
体育会系が多い。甲子園出場、元Jリーガーみたいな一線戦級に会うこともよくあります。
業界1位のプライドもあり、仕事への要求レベルは限りなく高くプレッシャーもあります。
それ故に優秀な人がやはり多いです。
頭の回転、視野の広さ、気遣い等、人としてレベルが高いです。
電通と比べると知的な人が多いイメージ。
マーケティングとクリエイティブに強い博報堂と言われています。人当たりは柔らかめ。
電通と並び日本の大手企業、海外のお仕事なんかも経験する機会も多いでしょう。
電通と比べると知的な人が多いイメージ。
マーケティングとクリエイティブに強い博報堂と言われています。
人当たりは柔らかめ。
電通と並び日本の大手企業、海外のお仕事なんかも経験する機会も多いでしょう。
この2社に転職するにあたり注意すべき点としては、
中途採用で契約社員として採用された人の正社員登用の可能性がかなり低いということです。
最近は少しマシになってきたらしいですが、一時期は3~5%程度の合格率と言われていました。
誰もが認める結果を出すか、社内で相当のコネを作らないと契約期間満了期限の5年でサヨナラです。
また、契約社員の給与は正社員の1/2~2/3程度で決して待遇は良くありません(一部例外はありますが)
それでも最大手の会社にて最前線の仕事をするメリットはこの会社でしか経験できないことです。
もしここをステップアップの場と考えるのであれば、職歴としてはアドバンテージが高くなるでしょう。
転職エージェントと紹介ルートのダブルで転職
広告業界への転職方法ですが、大きく分けて「転職エージェント」と「紹介ルート」があります。
広告業界は特殊です。
特殊だからこそ専門的な知識が必要ですし、内情を知るべくまずは紹介ルートを探すべきです。
とにかく周りに広告業界の知り合いがいれば会いまくってください。
そして、その人に次の人を紹介してもらうくらい色んな会社の人から話を聞くべきです。
ネット情報と実際会って聞く話ではギャップを感じる場面も多くあります。
できるだけ面接前にこのギャップを埋めておきましょう。
そして、紹介ルート開拓と合わせて取り組むべきは広告業界専門の転職エージェントです。
「専門」であることがとても重要です。
一般的な転職エージェントなら、広告業界のことを詳しくない担当が付いてしまったら終わりです。
私は自分より広告業界の知識がない担当が付いてしまい話になりませんでした。
広告業界転職でエージェントに相談するなら絶対「マスメディアン」です。
広告業界を専門としている転職エージェントです。
こんな感じで普通に広告業界の求人が見れるのですが、魅力は何と言っても面談を経ての個別対応です。
さすが広告業界専門だけあってエージェントの知識が豊富です。
そして、実際に広告代理店の人と普段接触しているので最新情報かつ内情がリアルに聞けます。
・社内の雰囲気
・担当クライアント
・給料
・休暇
・残業時間
大抵のことは知っています。
面談後はその人のキャリアにあった求人がメールや電話にて随時紹介してくれます。
また、たまに企業の採用担当から直接会いたいというオファーがマスメディアン経由で届くのです。
これは他の転職エージェントには絶対なかったことです。
広告業界の内情と実態に詳しく、豊富な求人数と個別対応オファーにも対応している。
まさに、広告業界はじめマスコミを目指す人にとっては最適なサービスと言えます。
私もマスメディアンから今の会社の内情を詳しく聞きましたが、実際入社してみてもギャップはありませんでした。
広告業界はとてもハードで大変です。
地味な仕事が9割以上です。
それでも残り1割が他の業界では絶対経験できないやりがいを感じることだったりもします。
まずは業界経験者や広告業界転職エージェントのリアルな話を聞いて、広告業界の実態を肌で感じてみることをオススメします。