ラグビーW杯、3勝でも決勝Tに進出できないボーナスポイント制の是非

   

ラグビーW杯、サモア戦に完勝でしたね。
南アフリカ戦が奇跡じゃなかったと感じさせる試合展開でした。

次はアメリカ戦ですが、南アフリカがスコットランドに勝ったことで、日本はアメリカに勝っても決勝進出が難しい状況になっています。

その要因はボーナスポイント。
競技の娯楽性を高めるための制度で導入されたらしいですが、果たして本当にそうだろうか。

ボーナスポイント制とは?

ラグビーワールドカップでの勝ち点は、

・勝ち=4点
・引き分け=2点
・負け=0点

となっている。
これにさらにボーナスポイント制が設定されており、

・1試合に4トライ以上=1点
・7点差以内の負け=1点

これが加算されるのです。
この制度によって、強いチームにとって有利な条件になっています。

弱いチームが4トライ以上とるには難しいし、せっかく僅差で勝ったとしてもボーナスポイントでその価値が下がってしまいます。

これでは、「勝つ時は圧勝」、「負ける時は僅差」という強豪チームでよくあるパターンに圧倒的に有利なのです。

ボーナスポイント制が生みだした悲劇

これによって2011年の前回大会ではトンガ代表が悲劇を味わっています。

2勝2敗でフランスと並びながらもボーナスポイントの差(トンガ9点、フランス11点)で決勝トーナメント進出を逃しています。しかもトンガはフランスに勝っているのです。

ただでさえ番狂わせが起こりにくいラグビーの世界で、予選ではさらにそれが強まっている気がします。
強いチームにとってみれば、負けてしまってもボーナスポイントで救済措置がされているのと同じです。

南アフリカは日本に負けたものの、「1試合に4トライ以上」と「7点差以内の負け」の両方が適用され、勝ち点2を獲得しています。「負け」なのに「引き分け」と同じ勝ち点を獲得するのがどうも納得できません。

ボーナスポイント制は本当に娯楽性を高めているのか

ボーナスポイント制は娯楽性を高めるために導入されたらしいが、逆ではないでしょうか。
この制度によって予選プールでは奇跡の決勝T進出が起こる可能性が確実に下がっています。

試合では番狂わせが起こりずらく、さらにボーナスポイント制でますますそれが強まっているのではないでしょうか。

そのことによってせっかく奇跡的な大金星をあげたチームが出てきても、決勝トーナメントに行った時にはお馴染みの強豪国が残ってしまうのです。予選がサッカーのように3試合ではなく4試合もあるので、さらにその傾向が強くなりますよね。

そうして、ヨーロッパとオセアニアを中心にいつもの国だけで盛り上がってしまい、新しい強豪国が生まれる土壌を失ってしまっているのです。

本当の意味でのワールドカップになるためにも

今回の南アフリカ戦の大金星で確実に日本のラグビー界が盛り上がっています。
母国のスポーツが盛り上がるのは弱かったチームが強いチームに勝つ時なのです

そして、それを見た子供たちがラグビーをやりたいと思い、強い選手が育ってまた強豪国に勝つ。
そんなサイクルが生まれることがラグビー界の発展につながるのです。

記憶に新しいなでしこジャパンがワールドカップで優勝したことで日本女子サッカー界の環境が劇的に変わりました。ラグビー界も決勝Tに進出するかによって今後の発展に大きく影響するでしょう。

また、世界のラグビー界にとってもそれは同じです。

日本が決勝Tに出ることでヨーロッパとアセアニア大陸以外の盛り上がりが生まれ、まさにワールドカップとなるのです。名前だけのワールドカップから、各大陸が接戦を繰り広げる本当の意味でのワールドカップになって欲しいものです。

そのことで人々が熱狂し、ポイントという意味ではなく本当の意味での娯楽性を高めることにつながるのではないでしょうか。

もし日本が次のアメリカ戦に勝利し、3勝1敗で史上初めて決勝T進出を逃すことがあれば、この不可解なボーナスポイント性に関して議論がなされていくことでしょう。

ラグビー界発展のためにも、そうなることを願っています。

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